書籍「ソーネチカ」 [書籍]
“「フィガロ」の読書案内202冊”で紹介されていた本です。
作者はロシアのリュドミラ・ウリツカヤという女流作家。ロシア文学というと、長い、
難解(特に人物の名前が難解!)というイメージがあって、ほとんど読んだことは
ありませんでした。
でも、この本は表紙がかわいくて、薄くて、字も大きい(笑)!一見すると児童文学み
たいです。文章もわかりやすく、登場人物の名前もわかりやすい(笑)!
今年はむさぼるように本を読んだ1年だったのですが、この本が「今年一番じーんと
きた一冊」になりそうです。
ストーリーはロシア版「女の一生」といったところでしょうか。主人公は本の虫でぱっと
しない(私みたい!)ソーネチカ。
ふとした偶然で知り合った男と結婚し、ロシアの流刑地を転々としながら過酷な人生を歩んで
いく・・・
というと、暗いお話をイメージしますが、そうではありません。
ソーネチカの醸し出す世界は、静謐で無垢。どんな逆境にあっても、「なんて幸せなん
だろう」とつぶやき、毎日の小さなことに悦びを見出します。
信じていた者に裏切られた時でさえ、彼女は自分の幸せを信じて疑うことをしません。
あまりの純粋さに思わず涙がこぼれそうでした。
日々、欲深い毎日を過ごしている私には、耳の痛い話でもありました(笑)。どんなことにも
小さな幸せが隠れている、自分はとても幸せなんだ、っていつも思えたら、どんなに
人生が楽なことでしょう。
12月に入って、寒い日が続くけど、ハートにポッとともしびがともるような、そんな
素敵なロシアのお話でした。
2009-12-11 21:16
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コメント(4)
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ロシア文学とは無縁です。こちらで教えてもらわなかったら、きっと手に取ることもなかったことでしょう。今度読んでみようかな。図書館にあるかしら。
今、図書館で5月(!)に予約した本が手元に!それも3冊くらい、予約していた本が重なって借りられて、うれしいんだけどなかなかゆっくり本と向き合う時間がありません。このまま返すことになりそう(涙)。
mimosaさんは、本をたくさん読まれてるのね!なるほど~、文章がお上手なのも納得です♪
by NO NAME (2009-12-13 21:23)
↑ 名前入れ忘れてしまいました。tamicoでござんす。
いちょうの葉っぱ、とって置いてくれてあるのね。うれしいです♪
by tamico (2009-12-13 21:25)
tamicoさん、いつもメッセージありがとう!
私も図書館で張り切っていっぱい借り過ぎて、全然読まずに返すことも多々あります(笑)
「ソーネチカ」は短いお話なので、機会があれば是非!
作者はロシアでは有名な作家で、フランスでも賞をもらってるそうです。
by mimosa (2009-12-14 21:03)
mimosaさんこんばんは。
おっしゃるように、「ソーネチカ」は素晴らしい本でした。夫となる人も含めて、苦難の人生が描かれていますが、重苦しさもあまりなくて、すっと入っていける内容でしたね。
昔のロシア文学はよく読んでましたが、最近の作家のことはよく知らなかったです。リュドミラ・ウリツカヤさんもそうですし、ソーネチカもご主人にも見られるように、ロシアのユダヤ系には優秀な人が多いですが、けっこう迫害されていますよね。
この後、同じ新潮クレストの「リリアン」という小説も読みましたが、ロシアで迫害されたユダヤ系の人の話でした。
「ソーネチカ」は表紙の絵もすごく気にいって、時々眺めています。
表紙もきれいで、見ているだけで、
by 音八 (2010-03-24 23:03)